相続発生「後」の家族会議支援®︎が難しい理由

勝裕 彰
勝裕 彰
初めまして。

合同会社えがお相続サポート代表の 勝裕 彰(かつひろ あきら)です。

家族会議支援®︎は株式会社ライブリッジの登録商標です。

家族会議支援®︎に関する有識者会議

先日、弁護士・司法書士・行政書士の各士業と相続コンサルタントとで開催された「家族会議支援®︎に関する有識者会議」に出席しました。

メインテーマは「相続発生前後の家族会議支援®︎」について。

もっと言えば、「相続発生『後』の家族会議支援®︎」はアリなのか?
について、それぞれの立場からの意見交換を行いました。

相続発生「後」の相談を2つに大別すると

①遺産分割協議(※)が終了し、話がまとまっている

②遺産分割協議(※)はこれからする、または話し合ったがまとまっていない

に分かれます。

(※「遺産分割協議」=誰が何をどのように相続するかの相続人全員での話し合い)

②のケース、相続コンサルタントとしてサポートに入る際は注意が必要です。
理由を以下に述べます。

遺産分割協議のルール

遺産分割協議は、基本的に相続人同士で合意する必要があります。

相続コンサルタントがこの遺産分割の「法律事務」に業として入ることは、弁護士法第72条で禁止されています。

遺産分割の「法律事務」を業として扱えるのは弁護士だけ。しかしながら、弁護士は依頼人(一部の相続人)の利益につながるように最善を尽くす、という役割。相続人全員のために、遺産分割の調整をしてくれる人ではありません。

相続発生「後」の家族会議支援®︎は難しい

兄弟で話し合ったんだけど話がまとまらなくて・・・
でもなんとか穏便に終わらせたくて・・・
勝裕さん、間に入ってもらえませんか?

これに対する僕の回答は「残念ですが、できません」になります。

なぜならこの状態で相続コンサルタントがサポートに入ると、遺産分割の「法律事務」に踏み込んでいく危険があり、弁護士法第72条に抵触する可能性が高いからです。

では弁護士に依頼する?
遺産分割の「法律事務」を業として扱えるのは弁護士だけだけど・・・
弁護士が入った時点で争う構図になってしまいます。

つまり、相続発生「後」に、相続人同士で揉めたくないからうまく着地するようにサポートに入ってほしい
という依頼に対して、現状ではサポートできる専門家がいないのです。

まとめ

だからこそ、生前(相続発生前)の事前準備・話し合いが必要なのです。

「遺言書を書くこと」は遺言者の単独行為。
その時は、相続コンサルタントによる家族会議支援®︎で、家族お一人お一人のお気持ちを聞き取るサポートもできます。結果として、家族の気持ちを反映させた遺言書を書くことも可能になります。

今回の有識者会議を経て、「家族会議支援®︎は相続発生前のサポート」との思いを強くしました。
将来、大切な家族が相続で揉めることのないように、早めの準備をしていきましょうね。



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この記事を書いた人

勝裕彰

富山の相続シーンが、より温かいものになりますよう、
相続コンサルタントとして、えがお相続のサポート役を担っていきます。