相続対策を始めようとすると、多くの人がぶつかる壁
「将来、母が亡くなった時、子供3人で揉めたくない。どんな準備をしたらよいか相談に乗ってほしい」
80代のお母さんと同居している末っ子さん(Aさん)から相談があったのが今年の2月。
小一時間ヒアリングで「Aさんの不安解消」そして「将来の円満相続」に向けてすべきことのイメージが浮かんできました。
が、これを進めるには大前提があります。
そう。財産はあくまでもお母さんの財産。
お母さんにその気になってもらう必要があります。
その辺りを聞くと、将来のことについて、Aさんとお母さんが話しできたのは少しだけ。
お母さん曰く「そんな準備せんなんかねー」とあまり前向きではないことが分かりました。
そこでAさんからのお願いが。
「勝裕さんから母に一度話をしてもらえませんか?」
娘の気持ちを無下にはしたくないお母さん。話は聞いてくれるようです。
Aさんからの要請で、先日Aさんとお母さんと私の3人で面談させていただきました。
まずは、ご家族情報や現在の皆さんの生活状況を確認。
その後、お母さんの気持ち、Aさんの気持ちを聞かせていただきました。
相続コンサルタント目線で、将来起こりうることをお伝えする
私は相続コンサルタントの視点から、将来について以下のことをお伝えしました。
●相続が発生すると、子供たちで遺産分割協議をする必要があること
●子供達3人に平等に相続する権利はあるが、平等に分けることは難しいと思われること
●その時の子供達の状況により、相続がスムーズにいかないこともよくあること
●話し合いがまとまらないと、不動産や預金の相続手続きができないばかりか、揉め事に発展することもあること
●お母さんが準備しておくことで、争族にならない+お母さんの想いが子供達に伝わり感謝されること
最後にもう一度、Aさんの気持ちを話してもらった後、お母さんが口を開きました。
「分かりました。大事なことですね。何から始めたらいいですか?」
円満な相続に向けて「生前の家族会議」の提案
私はまず、家族会議の開催を提案しました。
家族会議の進行役は私。
家族が集まって話をすることに勝る準備はありませんからね。
相手が何を思っているのかが分からない・・・これが不安の8割を占めているんだろうなって最近思います。
結果、お母さんを中心に家族会議開催を子供達と調整することに。
お母さんが前向きになってくれたことで第一ステップを乗り越えることができました。
(続きは次のブログで)